大学進学率をまとめてみた その2〜男女差編〜

はじめに

 この記事は、以下の続きです。ネタ元などの記載もそちらに。データの詳細は、このあとのおまけとして別枠で。

 

librairie.hatenablog.com

 

 

 見やすさの関係上、グラフはここにも再掲します。

 

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大学進学率1954-2019

 

進学率の男女差

 先の記事では男女トータルで推移を見てたんですけど、男女差がだんだんなくなっていくというのも面白いなあ、と思ったので、男女差を見てみましょう。

 

 統計上最初のデータ、1954年では男性13.3%、女性が2.4%(!!)と、10ポイント以上ひらきがあったわけです。1950年代・60年代は、その差は縮小するどころかむしろ拡大傾向で、先ほど特異点としてあげた1964年は、男性25.6%、女性は5.1%と20ポイントも差がある。まあ、その後は10ポイント台に戻ります

 じゃあ1970年代になって縮まるか……というとそんなことはなくって、むしろその差は拡大傾向。1960年代は10ポイント台だった男女間の差は1970年に20ポイントを超えます。男女間の進学率差が最大になるのは、1975年と1978年の28.3%(1975年=41%:12.7%、1978年=40.8%:12.5%)。1970年代は、まだまだ男女間の大学進学率の差が大きい時代なのでした(「大学は男性が行くところ」という意識が強かった時代、といえるかもしれません。「女子は短大で充分」という頃だったのでしょう)。

 1980年代に入り、少しずつその差が縮まっていきます。1989年に、初めて男女間のポイント差が20%を割ります。あー、面白いことに、男女雇用機会均等法1985年制定、1986年施行ですね。この法律は、女性の進学率上昇に影響を与えた可能性があります(勿論それだけではない、社会的変化も大きいのでしょうが)。

 まあ、それでも男性の進学率の方が高いのは変わっておりませんが、2012年にようやく差が10ポイント未満となり、2019年度では5.9ポイントの差であるとのことです。あ、2019年度女子進学率が50%を超えています(いつからかは未調査 2018年からと判明)。女性も半数は大学に行くようになったのが令和と云う時代なのですね。

 

 ついでに。男子進学率ですが、1970年代は1975年の41%を最高に、男子は実はズルズルと下がり続けています。1990年には33.4%(ほぼ1/3!)までに落ち、そこからは上昇に転じたものの、1975年から1990年という15年にわたって、男子進学率が下落傾向にあったのですね。だから、男女トータルで見たときにも1975年をピークにそこからは少し下がり気味でしたが、1975年から1990年にかけては「男子進学率の低下を女子進学率の上昇で支えていた時代」と云えるのでしょうね。だから、トータルとして「ゆるやかな下落」で済んでいたのでしょう。

 

おわりに

 いままで、ちょこちょこ進学率上昇は見ていたんですが、正式な統計データが得られたので、これを機会にちゃんと見てみました。いやあ、オリンピックで進学率が上がっているというのは面白いですね。あと、男子進学率の下落を女子進学率の上昇がカバーしていたというのも発見でした。楽しかった。

 次は、入学者実数とも合わせて考えてみたいですね。暇なときに。

 

 

 

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